過去の勉強会

「子犬の社会化を普及させるために何が必要?」

子犬の社会化について、会員の皆様の日頃の経験や意見を出しあうことで、様々な情報 や意見交換を行いました。今回の勉強会も、多くの方に積極的にご参加いただいたことでとても充実した実りある勉強会を開催することができ、ご参加頂きまし た会員の皆様には心より感謝をしております。

さて、今回のテーマともなった「子犬の社会化」については、JAPDTカンファレンスでも毎年テーマとして取り上げおり、Jennifer Messer先生(2009:第4回カンファレンス)をはじめ、国内外の著名な先生方に講演をしていただきました。

しかし、子犬の社会化に関しては科学的な研究が十分とはいえず、社会化教育を行う上でまだまだわからないことがたくさんあ りますが、このような状況の中でも、私たちペットドッグトレーナーは人と犬のより良い共生社会をつくっていくために、様々な側面で子犬の社会化に携わって 行かなければなりません。
そこで、既に一般的に言われるようになった科学的な情報を踏まえた上で、現役で子犬の社会化トレーニングに携わる会員同士が、それぞれ実際にクラスで実践 していることや懸念していることなどの情報や意見を共有し、お互いのクラス運営や犬の社会化の推進に役立てていこうというのが今回の勉強会のねらいでし た。

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当日の勉強会は、鹿野正顕氏(JAPDT事業企画委員長, 理事)より「犬の社会化」という言葉の定義と今回の勉強会の目的について説明していただくことから始まり、 次に参加者の方から日頃運営しているクラス(子犬対象)についての実施形態、問題点とそれに対する工夫などを発表していただきました。クラスを行って行く 上で、特に意識をして行っていることとして

  • 週齢の早い子犬に対するクラス中でのフードの導入(方法、時期、フードの種類など)
  • 皆様の様々な経験談と現在行なっている工夫

などが話題となり、参加者同士の様々な意見交換が行われました。

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写真は、獣医学な疑問点に対して解説する藤井仁美先生。

また、今回の勉強会で特に多くの意見があがったトピックとして、「引っ張りっこの遊び」の指導が挙げられました。 「引っ張りっこの遊び」は、飼い主と犬とのコミュニケーション促進やストレス発散にも効果がある反面、子犬がもつ潜在的攻撃性を発達させてしまうことにも 成りかねません(勉強会発言より抜粋)。勉強会ではこうした問題に対しての様々な経験に基づいた見解や飼い主への指導法について意見が交わされました。

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写真は参加者の皆様から挙がったトピックを書き出している様子。

総括として、鹿野正顕氏からトレーナー・インストラクターによって様々な手法はあれ、日頃活動の中で経験していることや社会化 に対する理念や考え方には相違がないことを確認として述べて頂き、さらに会場からは次回勉強会で取上げたいテーマも数多く挙がるなど、1時間30分の勉強 会は終始活発的な意見が飛び交い、無事終了となりました。 次回の勉強会には更に多くの方のご参加をお待ちしています。勉強会を通し、ドッグトレーナー・インストラクター同士のネットワークを広げ、お互いに知識・ 見聞を広げて行くことで人と犬のより良い共存社会の確立を目指していきましょう!

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「もっと知ろう!犬のワクチンについて」

今回の勉強会のテーマは犬のワクチンでした。ワクチンについての議論はまず正しい知識から。獣医大学講師である大谷先生からはワクチンの仕組みについて、そして動物病院で活躍される藤井先生からは実際の動物医療現場での実情を含めたお話をいただきました。

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続いて質問タイム。参加された皆様からは普段から疑問に思っていることがたくさん挙がり、中にはかなり突っ込んだ質問も出ました。 現在一般的に使われている数あるワクチンの違いや、海外と日本での違いだけでなく、獣医師さんの本音、実際どこまでが科学的に解っていることなのか等、ト レーナーとして飼い主さん指導にも役立つ知識がたくさん詰まった90分でした。少人数だったことも手伝って、参加された方からも色々とご発言頂き、とても 有意義な勉強会にすることができました。

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講師:藤井仁美(ふじい ひとみ)

獣医師・ペット行動カウンセラー・しつけインストラクター。JAPDT事業企画委員。
1990 年、東京農工大学農学部獣医学科を卒業後、都内の動物病院に勤務。
1995 年にシンガポールへ渡航。マウント・プレザント動物病院に勤務。
1998 年渡英。ロンドンのメディベット動物病院に勤務。後に同病院の獣医行動アドバイザーとなり、しつけ相談・子犬クラス・ペットのストレス対策のアドバイスな どを行う。また、ロンドン市内のドッグスクールで、犬のしつけインストラクターとして勤務。
2009年サザンプトン大学院心理学部動物行動学科伴侶動物行動カウンセリング専攻卒業。卒後ディプロマ(専門医資格)を取得。
現在は日本に帰国し、海外での経験と資格を活かして活動中。

大谷伸代 (おおたに のぶよ)

麻布大学獣医学部講師。JAPDT事業企画委員 JAPDT理事。
大阪府立大学農学部卒業。同大学大学院博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科特別研究員、高等応用動物研究所主任研究員を経て、2007年4月より現職。専門は神経生理学、介在動物学。獣医学博士、獣医師。
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「初心者向け クリッカートレーニング」

講師:森山敏彦(もりやま としひこ) CPDT-KA

11 月18日、JAPDT初の試みとなる小規模勉強会が開催されました。
勉強会では、クリッカーを使ったことがない方や、クリッカーの基本的な仕組みや使い方 を勉強したいJAPDT会員の方を対象として開催されました。
今回は、ドッグトレーニングインストラクター、トリマー、学生会員の方々が参加されました。

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森山敏彦講師よりまずクリッカーの仕組みついて説明があり、後半では実際にクリッカーを使ったトレーニング方法についてデモ犬を使った説明がありました。
そして、実際に参加者の皆様がクリッカーを使って犬に行動を教えます。

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森山先生からクリッカーを使って犬に前肢を挙げさせる行動を学習させるという課題が出され、皆さん真剣に取り組んでいました。
今回は少人数制の勉強会とい うことも手伝って、一人ずつ先生からの丁寧な指導があり、また皆様からたくさんの質問が出されたりと、とても有意義な勉強会となりました。