犬のしつけとは、飼い主との生活の中で遭遇する様々な状況や環境において、犬が望ましい反応を示すように学習させることである。そのため、飼い主の指示によって適切な反応を示すように、「お座り」、「伏せ」などといったトレーニングを行うことも重要だが、環境刺激に対して飼い主が望まない不適切な学習を防ぐため、飼育環境の設定と飼育管理も必要となる。特に子犬の頃は、好奇心が旺盛で機会があれば様々な行動を学習してしまうため、それぞれの状況に応じた生活の管理が大切だが、飼い主の多くは家庭内での子犬の飼い方や管理方法を知らないことが多いため、気がつかないうちに問題行動に発展する学習をさせてしまうことがある。そこで今回は、問題行動を予防するための子犬の生活環境の管理や飼育方法に焦点を当て、適切な飼い主指導の方法について考えてみたい。